会社破産した会社の取締役はどんな責任を負うことになるのか?

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平成18年(2006年)から株式会社は取締役一人で設立することができるようになりましたが、それ以前は最低でも取締役3人と監査役1人が必要でした。

代表取締役を含めて3人なので、あと2人にお願いしなければなりません。

誰でもいいというわけにはいきませんので、それなりに苦労した人もいるかも知れません。

しかし、この取締役というやつは登記するときよりも、会社破産するときの方が超やっかいなことになるかも知れません

ということを会社破産した元社長の私が現役社長にこっそりお知らせします

 

この記事の内容
  • 安易な気持ちで社員を取締役にしないこと
  • 取締役と従業員は何が違うのかということ
  • 会社破産するときは取締役会をひらき取締役全員の押印が必要なこと
  • 取締役は解雇通知手当てがもらえないかも・・・

 

この記事を書いている私は、株式会社の社長を20年ほどやりました。会社はそれなりに儲かった時期もありましたが、あるときから赤字決算をするようになりました。その気になればいつでも黒字に転換できると考えていましたが、会社はとうとう債務超過になってしまいました。自転車操業は想像以上に苦しく、最後は会社破産の決断をすることになってしまいました。

 

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会社破産した会社の取締役はどんな責任を負うことになるのか?

 

会社経営していると業績が良く儲かる時期があります。

そんな時に自分の右腕としてバリバリ仕事をしてくれる社員っているものです。

仕事は誰よりも頑張ってくれるし、信頼できる社員となり、社長は自分の会社の役員にしてあげたいと考えます。

社員本人も社長に認められて嬉しいことでしょう。

役員になったからには、ますます社の発展に尽力してくれるでしょう。

そんな姿を見て社長も喜んでいるかも知れません。

取締役は従業員ではない

取締役となった社員は、従業員ではなくなります。

これはどういうことかといいますと、会社の業務執行に関する意思決定に関与するということになります。

大企業のことはわかりませんが、零細弱小企業の場合は役員になったといっても、実際にやってる業務は基本的に従業員の時と変わらないと思います。

給料から役員報酬になったりして聞こえはいいですけど、名ばかり役員ですね。

役員にしてもらった従業員が頑張っている姿を見て、本人も社長も喜んでいるかも知れません。しかし、ここに落とし穴があるかも知れないのです。

安易な考えで取締役にすると、社員も会社も苦しい思いをすることになるかも知れません。

 

会社の業務執行は取締役会で決定するのが原則

取締役会なんて設置する必要なんてないのに、行政書士や税理士事務所から適当に上手いことを言われて気が付いたら自分の会社に取締役会が設置してあったという株式会社はたくさんあるでしょう。

実は取締役会にはそれなりの権限があります。

そして株式会社には取締役会の承認が必要で議事録を作って保管しておかなければならないことがあります。

しかし、零細企業の場合はそんなことをいちいちやっている会社は少ないでしょう。

役員から三文判を預かっておいて、社長が議事録を作って取締役の㊞を押して終わりっていう感じですね。

実際それでなんの問題もありません。(本当はダメでしょうけど)

 

会社破産するときは取締役全員の押印が必要

 

しかし、会社破産するときは基本的にそういうわけには行きません。

取締役全員が参加する取締役会をやって、その議事録を作り全員の押印が必要です。

それを裁判所に提出しなければなりません。

絶対に取締役全員の押印の議事録が必要というわけではありませんが、一人でも欠けていると裁判所は会社破産に反対している取締役がいるんだなと判断します。

そうなると、手続きが面倒になります。

予納金にも影響します。

つまり会社破産するために必要なお金が余計にかかってしまい、手間もかかってしまいます。

行方不明になった取締役

起業した時や、業績も順調なときに、友人やお世話になった人に取締役になってもらうことはよくある話です。

しかし、その時は仲良くやっていたけど途中でケンカ別れして、今はもう会社を辞めてどこで何をしているか知らない・・・。

だけど、会社の登記を変更するのも面倒だしお金もかかるから、そのまま取締役のまま放置してある。

とか、もう死んでた・・・なんてことになると超面倒です。

会社破産の申し立てをするまえに、会社の登記を変更しなければなりません。

つまり取締役から削除しなけばなりません。

こんなことがないように、面倒臭がらずに普段から会社の登記簿謄本を取った時にちゃんと取締役の名前を確認しておくことをお薦めします。

普段いい加減なことをしていると必ずツケが回ってきます。

 

裁判所は従業員に優しく、取締役には厳しい

会社破産の申し立てをするにあたり、従業員は全員解雇になります。

会社都合による退職なので従業員は確実に解雇予告手当をもらうことができます。

また場合によっては退職金も支給されます。

しかし、取締役は違います。

取締役は会社の業務執行に関する意思決定に関与してきたことになっています。

明らかに会社破産の責任を負うことになります。だって経営者サイドの人ですから。

 

取締役は未払い賃金の対象にならないかも知れませんよ。

私は受任弁護士にこのように言われたときはゾッとしました。

この人は取締役にはなっているけど、実際は従業員と同じように仕事をしているんです!と何度も説明して、裁判所に提出する破産申立書には、そのように書いてくださいとお願いしました。

今まで会社のために頑張ってくれたのに、取締役になっているがために未払い賃金が発生しないなんて申し訳なさ過ぎです。

 

会社破産するときは従業員の身分の方が絶対にいいです

失業保険を掛けてもらって、解雇予告手当をもらって、会社が倒産したあとは失業保険でしばらく生活できた方が、中途半端に取締役なるより正解です。

もちろん内容にはよりますけど、取締役でも最後の未払い賃金をもらえることはありますけど、それも受任した弁護士と破産管財人によります。

 

最後に

零細企業において中途半端に取締役になることはお薦めできません。

大企業のそれとは全然意味が違います。

給料はたいした変わらないのに責任だけがついて回ることになります。

社長から会社の役員にしてげると言われてもお断りした方が賢明です。

会社破産となったときは、社長が一番その責任を負うことになりますが、取締役はその次に面倒なことに巻き込まれます。

取締役は連帯保証人になっていることは少ないと思いますので、金銭的な責任を負うことはありませんが、会社破産で解雇になったときに未払い賃金等の支給が危ぶまれることがあることを知っておいた方がいいでしょう。

また社長も安易に頑張っている従業員を取締役にしてしまうと、会社破産のときに面倒なことになりかねません。

会社の将来を考えて、選任は慎重にしたほうがいいです。

 

マルボーズ

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