ある決算から、少し赤字になり、そして自転車操業になり、気がつけば債務超過になっていました。
債務超過になっているのはわかっていますが、私には会社をやめるという選択肢はありませんでした。
とにかく打開策を見つけて借金を返済し、買掛金は根性で完済するんだ。
と私もそんなふうに考えていた経営者の一人です。
- 赤字が続けば債務超過になり、会社は復活できないということ
- 債務超過になってから頑張っても遅いですということ
- それ以上やっても、負債だけが増えてしまうということ
- 結果的に迷惑を掛けてしまう金額が増えてしまうということ
この記事を書いている私は、株式会社の社長を20年ほどやりました。会社はそれなりに儲かった時期もありましたが、あるときから赤字決算をするようになりました。その気になればいつでも黒字に転換できると考えていましたが、会社はとうとう債務超過になってしまいました。自転車操業は想像以上に苦しく、最後は会社破産の決断をすることになってしまいました。
経営者は、以下のことで会社は倒産しないと考えてはいけません。
債務超過になっていてもこれくらいのことはできます。
- 売上げはある。とか、
- 資金は回っている。とか、
- ちゃんと給料は払えている。とか、
- 支払いはできている。など。
債務超過になっていても、銀行取引きはできます。
つまり銀行取引ができているから、債務超過ではないということにはなりません。
債務超過になってから頑張っても遅い!現実逃避をしてはいけない理由
結論からいうと、債務超過になってから何を頑張っても、ハッピーエンドを迎えることは難しいということです。会社破産の時期を引き延ばしているだけに過ぎません。
債務超過の簡単な説明
そもそも「債務超過」って会社がどんな状態になっているのでしょうか。
債務超過とは、あなたの会社が持っている全ての財産(資産)をもって、全ての負債を完済することができない状態のことをいいます。
負債が、資産額を超過しているということです。
幸か不幸か「債務超過」は経営者に信用があるとか、経営者が毎日死に物ぐるいで頑張っているとか、そういうことは一切関係ありません。
会社の財産が負債より少なければ、それは債務超過になります。
資産 < 負債
債務超過から抜け出せるのか
会社を債務超過から救うための方法は、残念ながら多くありません。
- 社長の個人資産を会社に投入する
- 不動産を売却して現金にする
- 売上げを上げる
細かい話しは抜きにして、現実的に上記以外に脱出方法はありません。
しかし、こんなことができるなら、言われなくてもやっています。
赤字になると資産が減ります
赤字の決算書からは目をそらさずにちゃんと向き合わないといけません。
赤字の決算書なんて見たくもありません。
私もそうでした。
私の周りにも、法人税を払いたくないから意図的に考えがあって「赤字で決算したんだよ」といっている経営者がいます。
いわゆる、節税のために赤字をコントロールしていると豪語している社長です。
節税重視の社長は注意が必要です。というのは、私もそんな経験者の一人だからです。
赤字を黒字に転換するのは簡単ではない
赤字になると、それまで蓄えてきた利益が確実に減ります。
赤字が続くと利益が減るだけでは終わらず、資本金まで負債に食い荒らされていき、資産よりも負債が多くなってしまいます。
この状態が、債務超過です。
ですから、赤字決算が連続するような事態になったら、そのまま債務超過になってしまう可能性が高いといえます。
債務超過になってからは、頑張って単年度ごとに黒字決算になるように努力することになりますが、黒字決算しても銀行の借入れ返済は、利益の中から返済しなければなりません。
借入返済額より利益が少なければ、会社の資産は減っていきます。
決算書は黒字だけど、資産は減少している。という現象です。
債務超過になっていると、ちょっとやそっとの黒字では、負債を消し去ることはできないのです。
債務超過の会社は、その後何期にも渡って決算書が黒字でも債務超過の状態から抜け出せないです。
債務超過になる前に頑張るしか方法はないです
赤字をコントロールしている。
などと調子のいいことを言っている場合ではありません。
そんな簡単にコントロールできるほど、赤字は経営者の思い通りにはなってくれません。
債務超過にならない努力
会社を経営していれば、1度や2度の赤字決算を経験することはあるでしょう。
しかし、そこが頑張りどころです。
会社経営は絶対に債務超過になってはいけないのです。
債務超過にならないように頑張るしかありません。
ダイエットと同じです。
太ってから痩せる努力をするよりも、太らないように気をつけることが大事だし、その方が絶対に楽なはずです。
会社破産することは簡単ではありません
会社を破産させるために会社経営をしている経営者はひとりもいないでしょう。
経営者はみんな必死に頑張っています。
私も会社を潰そうなんて考えたことは一度もありません。
自分の給料を減らしてでも会社の存続に努めました。
会社破産の手続きは弁護士の仕事です。
社長の仕事は決断だけです。
最後に
もしあなたが会社を経営していて、債務超過になっているのなら、それ以上頑張っても回復の見込みは少ないといえます。
社員のため、家族のため、と頑張っても最後には今よりも多額の負債を抱えて破産してしまうかも知れないということも知っておいてください。
あの時に弁護士に相談しておけば良かった・・・となる前にです。
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